元ヤマハの高級リゾートホテル廃墟に潜入!
元ヤマハの高級リゾートホテル廃墟に潜入! 4代目社長が描いた夢の跡…=諏訪之瀬島
鹿児島県の鹿児島港から南下すること約250キロ。人口60人、世帯数30ほどの諏訪之瀬島に高級リゾートホテルの廃墟と滑走路がある。島の玄関口である切石港から伸びている舗装道路を1キロくらい登って行くと集落があり、その近くにあるのが、高級リゾートホテルの廃墟だ。
二十数年前までヤマハの関連会社が使っていたという高級リゾートホテルのコテージは、人の背丈以上に伸びた雑草で覆われていた。赤瓦が乗った平屋建ての建物には6つの部屋があり、部屋の中には外から伸びたツタが這っている。ベッドの上にはマットレスが折り重なるように積み上げられていて、ソファーや椅子は黒カビだらけとなっている。ブラウン管の周りが木目調の枠で縁取られているテレビや空っぽになったミニ冷蔵庫なども無造作に置かれたままだ。
コテージの内部には、ムッとするカビの臭いが充満していた。長い間人が立ち寄っていないからだろう。室内に落ちていた『旅荘 吐火羅』と書かれたパンフレットには、島内巡りや遊覧船(クルージング)、山のぼり、シュノーケリング、フィッシングといったアクティビティが紹介されていて、かつては、大勢の観光客が来ていたことが偲ばれた。
部屋をひとつひとつ見ていくと異様なものが目に止まった。真新しいティッシュがソファーいっぱいに撒かれていたのだ。それは誰かが自慰行為をした跡のようだった。
リゾートホテルの廃墟の近くにあるのは、今はほとんど使われていないと思われる滑走路だ。エプロン(駐機場)を横切り、滑走路跡の突端部分まで行ってみると、「32」という大きな文字と矢印が記されていることが分かった。これは飛行機の発着時に機内から良く見るものだ。そのまま反対側に行ってみると「14」という文字が記されていた。滑走路のアスファルトはオレンジ色に塗られている部分があって、あちこちにヒビが入っていた。しばらく滑走路の写真を撮っていると、凧を手にした小学生がやって来た。声をかけてみると、「小学校で凧あげ大会があるから練習しているんです」と言った。長年、諏訪瀬島で暮らしているナンダさんを訪ねた。
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